幸せは眠りの中
今まで人と一緒のベッドでよく眠れるということがなかったのですが、
唐突な運命に出会ってから
相手の体温でそうっと眠りに落ちて、
昼過ぎまで二人で寝るとこが幸せでしかたありません。
先に起きて、相手のまつ毛のまばらさを愛しく見つめるとき
これが私のほしかった安心というものだと噛みしめています。
安心を手に入れると
今まで何者かになりたくてなれなくて
もがいていたような自分が遠く感じられます。
心の奥が穏やかな凪の海のようです。
ださくて底辺よりの平凡さでいいから
この人といる日常を大切に生きていけたらいいなと願っています。
日常に埋没していくことが幸せだと感じる自分が見つけられてよかったです。
でもやはりこの瞬間に世界が終わって
この瞬間が永遠になればいいのにと願う自分も相変わらずいます。
過去の後ろめたいことも
けしてばれなければなかったことになるなと
罪悪感より開き直って冷静にたかをくくっている自分もいます。
でも昼の白い光に包まれて
相手のまつ毛をそっと見つめるとき
この人の平穏と幸せを
縋るような気持ちで祈っていることもたしかなのです。
これからの自分をすべて捧げて
この人の幸せを守れればいいなと思います。
運命と出会って初めての春がもうすぐきます。